シーバス用のフライって?
2000/01/20
はじめに
ネットで知り合った、師匠の所でシーバスのサイトフィッシングを
していると、普通のゾンカー、クラウザーミノーでは「追ってくるけど
興味は示すけど、食わない!」こんな場面がやたらにあって
師匠曰く「動きが悪すぎ、もっとロッドアクションで」
そう言われても、潮の早い場面でフライシステムが作れるアクション
なんて、たかがしれています。
細い PE ラインで作るワームの動きなんて真似できる物ではないです
ならば、ワームのジグヘッドの如く全体のウエイトを前にだけ集中
させれば、(クラウザーミノーはこれ)それなりにアクションできる
はず、確かにこれでキャッチできました。
すると、考えを発展させてもっと積極的にウエイト位置に拘っていか
ないとシーバスの好むアクションは生まれないのでは?
つまり、そのシーバスの好むアクションを発生させるフライとは?
と考えているわけです。

マッチザベイト
フライの実証主義的な立場からだと、シーバスのようなフィッシュ
イーターを釣る場合、「マッチザベイト」つまりシーバスが食っている
餌に合わせてフライを選ぶ・・・ってことですが、本来模倣すべき対象
は、姿形では無くて、動きを含めて全体の印象だと考えています。
つまり、スズキが見て「あ、食えそう」と思ってくれないと口を使って
くれない訳です、たとえ人間が見て「イワシにそっくり」と思っても
シーバスから見て、イワシに似ているけどイカのように泳ぐ?と思われ
た場合は当然警戒すると思いますがどうでしょうか?
逆に、イワシ風の物が、イワシのような動きをしているのと比較して
どちらがよりシーバスに警戒感無く食わせる事が可能でしょうか?
私は、まあイワシかな??というフライがイワシの動きをする方が
より「釣れる」と考えています。
フライマテリアルの細部にこだわりますが、そのこだわり方はバイス
にはさんだ状態で、うんぬんするよりも実際に水中で動かして模倣す
る対象により似せて泳ぐように気を使うべきでしょう。

たとえばイワシ
私の行くポイントでは秋から初冬にかけてイワシがよってきます
当然シーバスもこの時期はイワシを食べているようですし、激しいボイル
を見ることもあります、こんな時に青や緑のバックテールで作ったミノー
をリトリーブしても、案外釣れないものです(ルアーならばほばほとか)
この時に、疑われるのが大きさ、色、とかでしょうがルアーがイワシと
サイズがあっているかというと、逆にフライのサイズの方が近かったり
する場合も多々あります。
まず、この場合何が足りないのでしょうか?
私は、アクションだと考えています。
イワシをじっくり観察していると、たとえば昼間サバに追われるイワシは
頭を中心にして、激しく体を動かして逃げています、この動きがフライに
要求されているのではないでしょうか?
マテリアルが多少揺らぐ程度ではなく、頭から後ろが激しく動いて全体で
逃げまどうイワシ達、あのしなやかな動きがシーバスを始めフィッシュ
イーターを刺激してるのかもしれません。
イワシを釣り上げて、その大きさ色、形を模倣するだけではシーバスは
いい顔をしてくれません、生きているイワシを模倣しなくていけないの
では、ないでしょうか?
実際にトラウトのフライでもこういった形態模写(イマージャー)が増加
しているではないですか、模倣すべきは静止したイワシではなく
「生きて動いているイワシ」ではないでしょうか。

生きている模倣
さて、生きている模倣とは何かというと
「静止状態ではなく動的な模倣である」と大言壮語してしまいましたが
実際には、シーバスに有効とされるゾンカーを代表として、細かなファー
の動きでターゲットを誘うフライの延長と考えれば良いのです。
では、通常のゾンカーに何が足りないのでしょうか、それはウエイトの
不均衡(わざとウエイト位置と密度を偏らす)だと考えています。
フライで演出できる動きの基本は「ゴー・ストップ」ですから、この動き
の範疇で最大限の効果(アクション等を)が得られれば、少なくとも今よ
りは、釣れそうな気がしています。
そして、シーバスが補食しているであろう餌の動きに近くて、そして適度
に本物より目立っていれば、フライを食ってくれると考えています。
そして、ラインシステムもフライの動きを阻害しない太さが大事です。

(多分)つづく・・・